
一人暮らし
高齢者世帯を狙う
訪問業者対策
「もしも」の時に慌てないために
「屋根が壊れていますよ」
「このままだと雨漏りします」
「近くで工事をしているので、無料で点検します」
突然、自宅を訪ねてきた業者から家の不具合を指摘されたら、どうするでしょうか。
一人暮らしや高齢者世帯では、屋根や床下など普段確認できない場所について専門家から指摘されると、「自分では分からないから」と話を信じてしまうことがあります。
しかし、訪問をきっかけに不安をあおり、高額な工事を勧める「点検商法」は、住宅に関する消費者トラブルの一つです。
消費者庁も、突然訪問して「無料点検」などを持ちかけ、修理が必要だと告げて契約を迫る悪質なリフォーム事業者について注意を呼びかけています。
大切なのは、怪しい業者を完璧に見抜くことではありません。
「突然来た業者の話だけで、家の修理を決めない」仕組みを作っておくことです。
◆ まず「家を見せない」ことから
「無料で点検します」と言われても、その場で屋根や床下、室内を見せる必要はありません。
特に屋根は、住んでいる本人から状態を確認することが難しい場所です。
「瓦がずれている」「今にも雨漏りする」と写真を見せられれば、不安になってしまいます。
そんな時は、
「今日は点検をお願いしません」
「家族に確認してからにします」
「必要なら、こちらで業者を探します」
と伝えます。
本当に修理が必要なら、後日、自分で選んだ業者に確認してもらえば済みます。
【市町村別 オススメ物件】
◆もし、家に入れてしまったら
一度家の中に入れてしまうと、断りづらくなったり、その場の流れで契約してしまったりすることがあります。
少しでも不安を感じたら、その場で決めず、いったん時間を置いて考えることが大切です。
まず、相手の会社名、担当者名、電話番号を確認し、名刺や見積書などを保管します。
屋根や床下の写真を見せられた場合は、
「どこの部分ですか?」
「いつ撮影したものですか?」
「修理しないと、具体的にどんな問題が起こりますか?」
と確認します。
できれば写真そのものを受け取るか、見せられた資料を撮影して残しておきます。
そして、その場では契約しません。
「家族に確認してから返事します」
これだけで構いません。
◆「屋根に上がられてしまった」場合
ここは、意外と重要です。
業者が屋根に上がり、「写真を撮ってきました」と言われても、その写真だけを根拠に工事を決めないことです。
まず写真を保存し、別の業者にも同じ場所を確認してもらうという方法があります。
「今すぐ直さないと危険」と急かされても、緊急性を自分で判断できないのであれば、一度止めます。
また、業者が帰った後に、屋根の状態を自分で確認しようとして屋根に上がるのは危険です。
確認は専門業者に任せましょう。
◆サインしてしまったら「終わり」ではない
訪問販売に該当する契約では、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録によってクーリング・オフができます。
電子メールなどによる通知も認められています。
また、業者から「クーリング・オフはできない」「今やめると違約金がかかる」などと告げられたり、脅されたりしてクーリング・オフを妨げられた場合には、8日を過ぎてもクーリング・オフできることがあります。
少しでも契約に不安を感じたら、業者とのやり取りや契約書などを残したうえで、早めに消費生活センターなどへ相談しましょう。
ただし、訪問販売に該当するからといって、すべての契約がクーリング・オフの対象になるわけではありません。
住宅の修理やリフォームでも、契約の内容や経緯によって扱いが異なることがあります。
「8日以内だから大丈夫」「訪問業者との契約なら必ず解約できる」と自己判断せず、対象になるか分からない場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」などに確認しましょう。
◆「もうお金を払った」場合も相談する
さらに焦りやすいのが、契約金や工事代金をすでに支払ってしまった場合です。
ここでも、「払ってしまったからもう無理」と決めないことです。
契約書や領収書、振込記録、業者とのメッセージなどをまとめ、できるだけ早く相談します。
特に、
「今日中に振り込んでください」
「現金なら安くします」
「今払わないと工事できません」
などと言われた場合は、支払いを急がず、まず契約内容を確認します。
クーリング・オフが成立した場合、すでに支払った金銭は返還されます。
また、損害賠償や違約金を支払う必要もありません。リフォームや修理など、すでに工事が行われている場合についても、契約内容や工事の状況によって対応が異なるため、「工事が始まってしまったから、もう解約できない」と決めつけず、契約書や工事の状況を確認することが大切です。
少しでも契約に不安を感じたら、業者とのやり取りや契約書などを残したうえで、早めに消費生活センターなどへ相談しましょう。
◆一度契約した後こそ注意する
一つの契約が終わったから安心、とは限りません。
「前回工事したところを確認します」
「今度は別の部分に問題があります」
「定期点検の時期です」
など、新たな工事を勧められることがあります。
一度依頼した業者だからといって、その後の点検や追加工事まで任せなければならないわけではありません。
特に短期間に複数の工事を勧められた場合は、契約内容と本当に必要な工事なのかを一度整理しましょう。
◆ 遠くに住む家族ができる「事前の対策」
離れて暮らす親を訪問業者から守る場合、「知らない人に気をつけて」と伝えるだけでは十分ではありません。
家族側でも「何かあったら電話して」と言うだけでなく、名刺や契約書の写真を送ってもらう、業者名を確認するなど、具体的な確認方法まで決めておくと実際の場面で動きやすくなります。
モニター付きインターホンなら、まず画面で相手を確認、玄関を開けずに用件を確認し、必要がなければその場で断ります。
訪問業者対策で重要なのは、「絶対にだまされないこと」だけではありません。
家に入れてしまった。屋根に上がられた。写真を撮られた。契約してしまった。工事が始まってしまった。お金まで払ってしまった。
もし契約してしまっても、そこで諦めないでください。
契約書を確認し、クーリング・オフができるかなど、まずはできることを確認しましょう。
わからないことがあれば、一人で抱え込まず、家族や身近な人、自治体の相談窓口などに相談しましょう。
・突然の訪問には、その場で決めない。
・起きたことを記録する。
・家族や第三者に確認する。
・契約後でもおかしいと感じたら早めに相談する。
「気をつけましょう」だけではなく、万が一のときにどう動くかまで決めておくことが、一人暮らし・高齢者世帯の住まいを守るための現実的な対策になります。
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