
中古戸建ての
「害獣対策」と
購入時に確認
したいポイント
中古戸建てを購入する時、建物の状態や雨漏り、シロアリなどは確認しても、「害獣が入り込む可能性」まで考えている方は意外と少ないかもしれません。
しかし、郊外や自然の多い地域では、タヌキ、アライグマ、ハクビシンなどが住宅の近くまで来ることがあります。
特に注意したいのが、空き家になっていた住宅です。
人が住んでいない家は、戸締まりだけでなく、庭や建物の周囲、屋根や床下などの管理も行き届きにくくなります。
その結果、動物にとって「入りやすく、落ち着いて過ごせる場所」になってしまうことがあります。
害獣の問題は、単に動物が家に入ってくるだけではありません。
屋根裏などに住み着くと、断熱材を荒らしたり、天井にシミができたり、糞尿による臭いや汚れが発生したりすることがあります。
中古戸建てを購入するなら、「今、害獣がいるか」だけでなく、「これまで侵入された形跡はないか」「これから侵入されにくい状態か」まで確認することが大切です。
◆住宅に入り込むことがある害獣
住宅周辺で注意したいのが、ハクビシン、アライグマ、タヌキなどです。
特にハクビシンやアライグマは、屋根裏などに入り込むことがあります。
屋根や外壁にちょっとした隙間があったり、換気口が破損していたりすると、そこが侵入口になることがあります。
また、庭木が屋根に接している住宅では、木を伝って屋根に上がりやすくなることもあります。
タヌキは屋根裏への侵入だけでなく、床下や物置など、住宅周辺の比較的隠れやすい場所に入り込むことがあります。
もちろん、地域や住宅環境によって状況は異なりますが、自然が身近な住宅ほど「動物が来ないだろう」と考えるより、来ることを前提に侵入されにくい環境をつくることが重要です。
◆「空き家だからこそ」注意したいこと
特に気をつけたいのが、長期間空き家になっていた中古戸建てです。
人が住んでいれば、屋根裏から物音がしたり、庭が荒れてきたりすれば気づきやすいものです。
ところが空き家では、異変が起きても発見が遅れてしまいます。
例えば、
・庭木や雑草が伸び放題
・屋根に枝がかかっている
・外壁や軒下が傷んでいる
・換気口や通気口が壊れている
・物置などに荷物が放置されている
・雨戸や戸袋などに隙間がある
・屋根や天井に破損がある
といった状態は、害獣にとって隠れやすく、侵入しやすい環境になることがあります。
さらに、空き家では郵便物やゴミなどが長期間放置されることで、人が管理していないことが外から見ても分かりやすくなる場合があります。
中古戸建てを購入する際には、「空き家だった期間」と「その間にどのような管理をしていたか」も確認しておきたいポイントです。
◆害獣に入り込まれないためには?
害獣対策で基本となるのは、侵入口をつくらないことです。
屋根、軒下、換気口、外壁、基礎、配管まわりなどを確認し、小動物が入り込めそうな隙間や破損がないかチェックします。
また、庭木が屋根に接している場合には、剪定によって屋根へ移りやすい環境をつくらないことも大切です。
住宅周辺に不要な木材や資材、古い家具などが積み上げられている場合も、動物が身を隠せる場所になってしまう可能性があります。
ゴミや生ごみなどを外に放置しないことも基本的な対策です。
つまり、害獣対策というと「何か特別な設備を設置する」というイメージがありますが、実際には、家の隙間をなくし、庭や建物の周囲をきちんと管理することが基本です。
◆もし、すでに入り込まれていたら?
中古住宅では、購入時点ですでに害獣が侵入していたり、過去に侵入されていた形跡が見つかったりすることもあります。
屋根裏から異臭がする、天井にシミがある、断熱材が荒れている、糞尿らしきものが残っているなどの場合は注意が必要です。
ここで大切なのは、「動物を追い出せば終わり」と考えないことです。
侵入口が残っていれば、再び入り込まれる可能性があります。
また、糞尿によって建物内部が汚れている場合には、清掃や消毒が必要になることもあります。
さらに、断熱材や天井材などに被害が及んでいれば、部分的な交換や修繕が必要になる場合もあります。
そのため、害獣の痕跡がある中古住宅では、駆除や追い出しだけでなく、侵入経路の確認、清掃・消毒、建物への被害確認まで含めて考えることが大切です。
◆排泄物は「汚い」だけの問題ではない
害獣による被害で特に注意したいのが、糞尿です。
屋根裏などに排泄物が蓄積すると、強い臭いの原因になるだけでなく、衛生面でも問題になります。
乾燥した排泄物や汚染されたほこりなどが舞い上がれば、人が吸い込む可能性もあります。
また、動物の排泄物には、人に感染する可能性のある病原体などが含まれる場合があります。
そのため、屋根裏などで大量の糞尿を発見したからといって、素手で片付けたり、掃除機でそのまま吸い込んだりするのは避けたほうがよいでしょう。
特に、長期間放置されていた空き家では、どの程度汚染されているのか分からないケースもあります。
自分で無理に処理するのではなく、状況に応じて専門業者へ相談することが安心です。
◆中古戸建てを購入する時のチェックポイント
害獣については、内覧時に動物そのものを探す必要はありません。
むしろ、「侵入された痕跡」と「侵入できそうな場所」を確認することが重要です。
チェックしたいのは、
・屋根や軒下に破損や隙間がないか
・換気口や通気口が壊れていないか
・外壁に穴や隙間がないか
・庭木が屋根に接していないか
・屋根裏に糞尿や異臭がないか
・断熱材が荒れていないか
・天井に不自然なシミがないか
・床下や物置に動物が入り込んだ形跡がないか
・長期間空き家になっていなかったか
などです。
そして、気になる痕跡があれば、売主側に「以前、害獣が入り込んだことはないか」「駆除や修繕をしたことはないか」などを確認してみましょう。
過去に被害があったとしても、侵入口を塞ぎ、必要な清掃や修繕が行われているのであれば、今後の管理によって対応できる場合もあります。
大切なのは、「害獣が出た家だからダメ」と決めつけることではなく、原因と被害の程度、そして現在どこまで対策されているのかを確認することです。
庭が広く、周囲に田畑や山林があり、自然を身近に感じられる中古戸建ては、都会の住宅にはない魅力があります。
その一方で、自然が近いということは、人間だけの生活圏ではないということでもあります。
害獣が住宅の近くまで来ることもありますし、管理が行き届かない家は侵入されるリスクも高くなります。
だからこそ中古戸建てを選ぶ時には、建物の中だけを見るのではなく、屋根、外壁、床下、庭、物置、そして住宅周辺の環境まで一緒に確認することが大切です。
購入してから「屋根裏から物音がする」「天井にシミができた」「庭を荒らされる」と慌てるより、購入前に少し注意して見るだけでも、分かることはあります。
中古戸建ては、新築とは違い、これまでの暮らしや管理の履歴があります。
その履歴を確認しながら、「この家なら、これから自分でどのように管理していけるか」まで考えて選ぶことが、購入後の安心につながります。
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