遠方に住む親の
介護、住まいを
どう考える?
後悔しないために早めに考えたい事
親が高齢になってくると、「このまま今の家で暮らせるだろうか」と考える機会が増えてきます。
特に、親と子どもが離れた地域で暮らしている場合、介護が必要になったときに問題になるのは、介護サービスだけではありません。
「どこで暮らすのか」「誰が支えるのか」「今の家をどうするのか」という、住まいの問題も大きく関わってきます。
まだ元気だからと先送りしていると、いざというときに選択肢が限られてしまうこともあります。
今回は、遠方に住む親の介護を考える時、住まいについて確認しておきたいポイントを整理します。
◆まず考えたいのは「今の家で暮らし続けられるか」
現在住んでいる家が、これからも安全に暮らせる家なのかを考えてみましょう。
例えば、
・玄関や室内に段差が多い
・階段を使わないと生活できない
・トイレや浴室が使いにくい
・寝室からトイレまで距離がある
・冬の寒さや夏の暑さが厳しい
・庭や敷地の管理が負担になっている
・車がないと買い物や通院が難しい
といった問題です。
今は問題なく生活できていても、足腰が弱くなったり、車の運転が難しくなったりすると、家そのものが生活の負担になることがあります。
介護が始まってから慌てて住み替えや大規模なリフォームを考えるのではなく、元気なうちに「この家であと何年暮らせそうか」を考えておくことが大切です。
【市町村別 オススメ物件】
◆遠方に住む子どもが通い続ける方法には限界がある
親のために帰省して、通院に付き添ったり、買い物を手伝ったりすることはできます。
しかし、介護が長期化すれば、仕事や家庭との両立が難しくなることもあります。
特に注意したいのが、「子供が頑張れば何とかなる」という前提で考えてしまうことです。
介護サービスを利用する場合でも、訪問介護や訪問看護、デイサービスなど、地域によって利用できるサービスや環境は異なります。
住まいを考える際には、家だけを見るのではなく、病院・買い物・交通機関・介護サービスまで含めて生活圏として考える必要があります。
◆選択肢は「親を呼び寄せる」だけではない
遠方に住む親の介護というと、「親を子供の近くへ呼び寄せる」ことを考えがちですが、それだけが正解ではありません。
例えば、
①親が今の家に住み続ける
介護サービスを利用しながら、手すりの設置や段差解消など、必要な部分を改善する。
②親の近くへ子どもが住む
仕事などの事情が許せば、親の近くで暮らすことで見守りや通院の支援をしやすくする。
③親を子どもの住む地域へ呼び寄せる
親の家を整理し、子どもの自宅近くの住宅や高齢者向け住宅などへ住み替える。
④近居や同居を検討する
同居だけでなく、近くに住むことでお互いの生活を尊重しながら支え合う方法もあります。
⑤介護施設などへの入居を検討する
在宅生活が難しくなった場合には、施設という選択肢もあります。
大切なのは、最初から一つに決めることではありません。
親の希望、現在の健康状態、子どもの仕事や家庭、費用などを合わせて、無理なく続けられる方法を考えることです。
◆家族だけで決めようとしないことも大切
介護と住まいの問題は、家族だけで話し合うと、思いがぶつかってしまうことがあります。
「親は今の家を離れたくない」
「遠方だから頻繁には帰れない」
「兄弟の誰が支えるのか」
「家を売るのか、残すのか」
それぞれ立場が違えば、意見が異なるのは当然です。
だからこそ、家族だけで抱え込まず、第三者に相談することも大切です。
まずは親が暮らしている地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。
どこが担当かわからない場合は、市区町村の介護・高齢者福祉の窓口に問い合わせれば、相談先を案内してもらえます。
「どこに相談すればいいのかわからない」ということ自体を相談していい。
このことを知っておくだけでも、遠方に住む家族にとって大きな安心になります。
◆「親の家をどうするか」も早めに考えておきたい
親が住み替えることになれば、それまで住んでいた家をどうするかという問題も出てきます。
誰も住まなくなれば空き家となり、固定資産税だけでなく、庭木の管理や建物の換気、雨漏りなどの管理も必要になります。
遠方に住む子どもが管理するとなれば、移動時間や交通費も負担になります。
「とりあえずそのままにしておこう」と考えがちですが、売却するのか、賃貸にするのか、誰かが住むのか、解体するのかを早めに考えておくと、後々の負担を減らせます。
また、親が元気なうちに、家の名義や住宅ローンの有無、土地・建物の権利関係なども確認しておくと安心です。
◆住み替えは「介護が必要になってから」では遅いことも
長年暮らした家には、家具や思い出の品があり、「住み慣れた家を離れたくない」という親の気持ちもあります。
そのため、介護が必要になってから突然住み替えを提案しても、本人が納得できないことがあります。
だからこそ、元気なうちに、
「もし車に乗れなくなったら?」
「階段が大変になったら?」
「一人で買い物や通院ができなくなったら?」
と、具体的な場面を想定して話しておくことが大切です。
これは親をどこかへ移すための話ではありません。
親ができるだけ長く、自分らしく暮らすためには、どんな住まいがいいのかを一緒に考えるための話です。
介護は、始まってから考えるのではなく、介護が必要になる前から住まいの選択肢を持っておくことが大切です。
親が元気なうちなら、本人の希望を聞きながら、リフォームや住み替え、売却などを時間をかけて検討できます。
そして何より、家族だけで抱え込まないこと。
介護も住まいも、家族だけで解決しなければならない問題ではありません。
早めに相談先を知り、必要な人の力を借りながら、その家族にとって無理のない暮らし方を考えていくことが、将来の負担を減らすことにつながります。
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