
区分マンション
vs 一棟アパート
リスクとリターン
の違いから選ぶ
投資スタイル
不動産投資を検討する時、「区分マンションと一棟アパート、どちらがいいのか」と迷う人は少なくありません。
区分マンションは少ない資金から始めやすく、一棟アパートは複数の部屋から家賃収入を得られるという違いがあります。
ただし、実際には「少額だから安全」「戸数が多いから安定」と単純には考えられません。
空室になったときの影響、修繕費の負担、融資、売却のしやすさまで見ると、二つの投資スタイルはかなり性格が異なります。
◆区分マンションは「一室を持つ」投資
区分マンションの大きなメリットは、物件価格を抑えやすく、投資規模を小さく始められることです。
一棟アパートに比べて購入金額が小さい物件も多く、管理会社に建物全体の管理を任せられるケースもあります。
また、建物全体の大規模修繕を自分一人で判断する必要がない点も特徴です。
共用部分の修繕は、原則として管理組合が長期修繕計画などを踏まえて行います。
そのため、建物全体を自分で管理する負担は一棟物件より抑えやすいでしょう。
一方で、最大の弱点は「空室になれば家賃収入がゼロになる」ことです。
1室しか所有していなければ、退去した時点でその物件からの収入はなくなります。
家賃を下げなければ入居者が決まらない場合には、収益性も下がります。
さらに、管理費や修繕積立金は空室中でも発生します。
修繕積立金が安いから有利とは限らず、将来的な大規模修繕に備えて十分な積立が行われているかを見る必要があります。
築年数が進んだマンションでは、修繕積立金の増額や一時金が発生する可能性もあります。
【市町村別 オススメ物件】
◆一棟アパートは「複数の部屋と建物を持つ」投資
一棟アパートのメリットは、複数戸を所有できることです。
例えば8戸のアパートなら、1室が空室になっても残り7室から家賃が入ります。
1室空室になっただけで収入がゼロになる区分マンションとは、空室リスクの出方が違います。
また、入居率や家賃設定、修繕、設備更新などについて、所有者が判断できる範囲が広いことも特徴です。
建物全体を自分の投資対象として考えられるため、収益改善の余地がある物件もあります。
一方で、最大の弱点は「複数の部屋から家賃を得られる反面、建物全体の維持・修繕に責任を負う」ことです。
ただし、戸数が多いことが、そのまま低リスクにつながるわけではありません。
築年数が古ければ、外壁、屋根、防水、給排水設備などにまとまった修繕費が必要になる可能性があります。
給湯器やエアコンなど、各戸の設備故障が重なれば、さらに支出が増えることもあります。
土地と建物を一緒に購入するため、取得価格も大きくなりやすく、融資の借入額が大きくなる点にも注意が必要です。
金利上昇や返済期間、自己資金の額によっては、家賃収入があっても手元に残るお金が少なくなることがあります。
さらに一棟物件では、建物だけでなく土地についても確認が必要です。
接道状況、用途地域、再建築の可否、土地の形状などによって、将来の利用や売却のしやすさが変わることがあります。
「現在、家賃が取れている」という事実だけで判断せず、建物を使わなくなった後の土地の価値まで確認したいところです。
◆「利回り」だけでは判断できない
区分マンションと一棟アパートを比較する時、表面利回りだけを見るのは危険です。
例えば、一棟アパートの利回りが高くても、空室が多い、家賃が相場より高く設定されている、近いうちに外壁や屋根の修繕が必要、といった事情があれば、購入後の収支は変わります。
区分マンションも同様です。
購入価格と年間家賃だけでなく、管理費、修繕積立金、固定資産税、管理委託費、空室期間、募集時の費用などを差し引いて、実際にいくら残るのかを見る必要があります。
特に一棟アパートでは、「満室時の年間家賃」だけを基準にしないことが重要です。
現在の入居率だけでなく、周辺の募集物件、築年数、間取り、駅や生活施設へのアクセスなどを確認し、現在の家賃水準が今後も維持できるのかを考える必要があります。
◆売却する時にも違いが出る
投資では、購入時の収支だけでなく「出口」も重要です。
区分マンションは、投資家だけでなく、自分で住む人が買い手になるケースがあります。
そのため、立地や価格によっては売却先の選択肢を持ちやすいことがあります。
一方、一棟アパートは購入価格が大きくなりやすく、収益性や融資条件などを見ながら購入する投資家が中心になります。
売却時には、物件そのものだけでなく、買い手が融資を受けやすいかどうかも影響します。
また、築年数が進んだ一棟アパートでは、建物の評価が低くなっていても、土地の価値が売却価格を支える場合があります。
反対に、立地や土地形状などに問題があれば、売却時に価格を下げざるを得ないケースもあります。
◆自分が「失敗した時」まで考える
選ぶ際には、期待する家賃収入だけでなく、「空室が続いたらどうなるか」「大きな修繕が発生したら払えるか」「金利が上がったら返済できるか」を考えることが重要です。
区分マンションは、一室から始めて投資額を抑えたい人に向く一方、空室時の収入停止という弱点があります。
一棟アパートは、複数戸による収入分散が期待できる一方、購入価格や借入額、修繕費などの負担が大きくなります。
どちらを選ぶにしても、「利回りが高いから」という理由だけで決めるのではなく、購入後の収支を具体的に計算し、自分が負担できる空室・修繕・借入の範囲を確認することが大切です。
不動産投資では、最も高い収益を狙える物件を探すことだけが重要なのではありません。
想定外の支出や空室が発生した時にも、投資を続けられる資金計画を作れるかどうか。
そこまで考えて初めて、自分に合った投資スタイルが見えてきます。
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