
「境界確定」と
「境界非明示」は
何が違う?不動産
売買で知って
おきたい境界の
基本
土地や戸建ての売買で、物件資料を見ていると「境界確定」「境界非明示」という言葉を目にすることがあります。
どちらも土地の境界に関する表示ですが、意味は大きく異なります。
特に「境界非明示」と書いてあると、「境界が分からない土地なのでは?」「買った後に隣地とトラブルになるのでは?」と不安になる方もいるでしょう。
そこで今回は、「境界確定」と「境界非明示」の違いと、不動産購入時に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
◆「境界確定」とは?
「境界確定」とは、隣接する土地の所有者などと境界について確認し、土地と土地の境目を明確にしている状態を指します。
一般的には、土地家屋調査士などが現地を確認し、登記資料や地積測量図、過去の測量図などを調査したうえで、隣接地所有者との立会いなどを行い、境界を確認します。
現地には、境界杭やプレートなどの境界標が設置されていることもあります。
ただし、境界杭がある=必ず境界確定済み、とは限りません。
古い杭が残っている場合や、いつ誰が設置したものなのか分からない場合もあります。
そのため、杭だけを見るのではなく、測量図や境界確認書などの資料と合わせて確認することが大切です。
国土交通省も、不動産取引において「境界確定の状況」は土地に関する重要な確認事項の一つとして挙げています。
◆「境界非明示」とは?
一方の「境界非明示」は、売買の際に売主側で境界の確定や明示を行わない条件で取引することを指します。
ここで注意したいのは、「境界非明示=境界が存在しない」わけではないということです。
土地には当然、隣地との境界があります。
ただし、売買契約の段階で、売主が隣地所有者との立会いや測量を行って境界を確認することを約束していない、という意味で使われることがあります。
例えば、古くから所有している土地で測量をしていなかったり、隣地所有者との立会いが難しかったり、売主が測量費用を負担してまで境界を確定させることを希望していないケースなどがあります。
特に地方の古い住宅地や広い土地では、「境界非明示」という条件で売りに出されている物件もあります。
【市町村別 オススメ物件】
◆「境界非明示」の物件は買わないほうが
いい?
必ずしもそうとは限りません。
重要なのは、「境界非明示」という言葉だけで判断しないことです。
例えば、
・境界標は現地に残っている
・古い測量図がある
・公図や地積測量図などの資料が確認できる
・隣地との境界について大きな問題が起きていない
・建物や塀などの位置関係も明確
といったケースであれば、境界非明示だからといって直ちに購入できない土地というわけではありません。
一方で、隣地との間に塀や建物があり、「この塀はどちらの土地にあるのか」「実際の土地の面積はどこまでなのか」が分からない場合には注意が必要です。
境界が曖昧なまま購入すると、将来的に建物を建て替えたり、土地を売却したりする際に、改めて境界確認や測量が必要になる可能性があります。
◆特に注意したいのが「越境」
境界を確認する際には、単純に土地の線だけを見るのではなく、越境についても確認しておきたいところです。
例えば、
・隣地の樹木や枝が入っている
・ブロック塀が境界線をまたいでいる
・屋根や雨樋が越境している
・給排水管などが隣地を通っている
といったケースがあります。
逆に、自分の土地にある物が隣地へ越境していることもあります。
境界が明確になっていても、越境問題が解決しているとは限りません。
そのため、境界だけではなく「越境物の有無」や、越境している場合の取り決めについても確認することが重要です。
◆購入前に確認しておきたい4つのポイント
境界非明示の土地を検討する場合は、少なくとも次の点を確認しておきましょう。
① 境界標はあるか
現地に杭やプレートなどがあるか確認します。
ただし、境界標だけで判断せず、資料との整合性も確認しましょう。
② 測量図などの資料はあるか
地積測量図や確定測量図、境界確認書などが残っているか確認します。
③ 隣地とのトラブルはないか
過去に境界について争いがなかったか、売主や不動産会社に確認しましょう。
④ 契約条件を確認する
「境界非明示」の場合、契約書にどのような条件が記載されているのかを確認することが重要です。
「購入後に測量するのか」「売主が測量するのか」「買主が費用を負担するのか」などによって、購入後の負担も変わってきます。
◆境界は「土地を安心して使うため」の大切な情報
土地の境界は、単に「隣との線を決める」というだけのものではありません。
建物を建てる、塀を設置する、土地を分筆する、将来売却するといった場面でも関係してきます。
国土交通省も、地籍調査によって土地の境界を明確にすることで、境界をめぐるトラブルの防止や土地取引の円滑化につながるとしています。
「境界非明示」と書かれている物件を見つけたときに、言葉だけを見て避ける必要はありません。
大切なのは、
「なぜ境界非明示なのか」
「現在、どこまで境界が確認できているのか」
「購入後にどのような負担やリスクが考えられるのか」
を把握することです。
ただし、すべての物件で境界がきれいに確認できるとは限りません。
特に、相続した土地や古くから所有されている土地では、売主自身も境界を正確に把握していないことがあります。
古い測量図しか残っていなかったり、境界標が見つからなかったり、隣地との境界についても昔から曖昧なまま使われてきた、というケースもあります。
そのため、「境界をはっきりさせてからでなければ買えない」と考えるのではなく、今ある資料や現地の状況、契約上の取り決めを確認したうえで、その状態を自分が受け入れられるのかを考えることも大切です。
例えば、境界確定測量を行わないことが契約条件になっている場合、そのことを理解したうえで購入するのか。
それとも、多少費用がかかっても境界を確認してから購入したいのか。
物件によって正解は違います。
「境界非明示だから危険」「境界が分からないから買ってはいけない」と一律に考えるのではなく、何が確認できていて、何が確認できていないのか。
そして、その不確実さを含めて購入する条件になっているのか。
そこを理解したうえで、自分にとって納得できる取引なのかを判断することが大切です。
それが、購入後の「こんなはずではなかった」を防ぐための大切なポイントです。
土地の売買では、価格や立地だけでなく、こうした目に見えにくい部分まで確認することが、安心できる不動産選びにつながります。
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