
◆はじめに
高齢化が進む中で、不動産取引においても「成年後見制度」が関わる場面は増えています。
そして今、この制度は約25年ぶりの大きな見直しが進められており、「何が変わるのか?」に注目が集まっています。
ただし現時点では、すべてが確定・施行されているわけではなく、方向性が示されている段階です。
本コラムでは、そのポイントを不動産の視点から分かりやすく整理します。
◆2026年の法改正で何が変わる?
今回の見直しのキーワードは「柔軟化」と「本人意思の尊重」です。
主なポイントは以下の通りです。
①長く続くことが前提だった仕組みの見直し
従来は、成年後見制度が始まると原則として長期間(実質的に終身)続く仕組みでした。
しかし今回の見直しでは、
・必要がなくなれば終了できる仕組み
・一定期間ごとの見直し
などが検討されています。
「必要な時だけ使う制度」へ変わる方向です。
②「後見・保佐・補助」の区分が見直しへ
これまでの制度は
・後見
・保佐
・補助
といった区分があり、分かりにくさが課題でした。
見直しでは、支援内容を個別に設計する“柔軟な仕組み”へ移行する方向とされています。
③「必要な範囲だけ支援」できる仕組みに
従来は、包括的に代理される(=制限が強い)という特徴がありましたが、
今後は
・特定の手続きだけサポート
・必要な範囲だけ権限付与
といった形が検討されています。
“オーダーメイド型”の制度へと変わる可能性があります。
◆不動産取引への影響
この見直しは、不動産にも大きく関わってきます。
①「売却のためだけ後見」が可能に?
従来は、
・不動産売却のために後見を開始
→ その後も長期間続く
というケースが多くありました。
しかし今後は、「売却手続きが終われば終了」も可能になる方向、つまり不動産取引のためだけに使いやすくなる可能性があります。
②取引のハードルが下がる可能性
これまでは、
・手続きが重い
・後見が開始されると、途中で見直したり終了することが難しい仕組み
といった理由で制度利用をためらうケースもありました。
見直しにより、「必要な時だけ使える」=利用しやすくなる
結果として不動産売却や相続手続きが進めやすくなる可能性があります。
③一方で注意点も
ただし、制度が過渡期にある運用が固まっていない部分もあるため、現時点では従来制度で判断する必要がある場面も多いです。
◆まとめ
2026年の法改正で目指されているのは、「守るための制度」から「支えるための制度」への転換です。
特に不動産の視点では、
・必要なときだけ使える
・手続きの負担が軽くなる
といった変化が期待されます。
一方で、まだ確定していない部分もあるため、今後の動向を見ながら判断していくことが重要です。
◆リフラットからの一言
制度は「知っているかどうか」で選択肢が大きく変わります。
不動産の売却や相続を考える場面では、その時の制度だけでなく、これからどう変わるのかも踏まえて考えることで、より納得のいく判断につながります。
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